【あらすじ】スーパーナチュラルシーズン5 20話:『4つの指輪』【感想】 | ブラックの黄色い家

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本編が始まる前のいつもの映像集で、サムの恋人ジェシカやクロアトアンウイルス(人間の理性を破壊して化け物に変える病原菌)ルシファーに反旗を翻したクラウリー等々が登場する。
クロアトアンとか懐かしすぎ。

そして……ガブリエルが最期に残した言葉……。

「ルシファーを殺すことは出来ないが、罠に掛けることは出来る。閉じこめていた地獄の檻はまだ機能しており、その檻を開ける鍵は四つの指輪。黙示録の四騎士の指輪――」


すでに『戦争』と『飢饉』の指輪はゲットしているディーンとサムは残りの『疫病』と『死』の指輪を求めて探索を始める。


アバンタイトルでは、製薬会社の実験動物がいる部屋で、二人の白衣を着た社員が、流行しているインフルエンザのワクチンの話をしている。
会社はワクチンを製造しているというのだがそんなものは見たことがないと訝る社員達に突如警備員が「おれはある」と立ちふさがり、社員の片割れの首に注射針を射し、「治験だ」と言ってワクチンを投与する。

閉じこめられる社員二人。
ほどなくして、注射された社員はさっきまで親しく会話していた同僚に襲いかかる。
巻き上がる血しぶき。それを観察していた警備員の目が真っ黒になる。
悪魔の正体を現した警備員は「実験は成功だ」と言って立ち去っていく。


ディーンとサムは疾病対策センター(CDC)の職員を装って新型のインフルエンザで満員状態の病院を調査している。
クロアトアンウイルスを懸念している二人は病院の医師にウイルスに人を凶暴化させたりする症状が出ていないかと質問するが、女医は笑ってやりすごそうとする。
だがおかしな点もあった。一日半前はゼロだった患者数が36時間で70人以上になったというのだ。
やや異常な感染速度の速さだという女医の前で思わず二人は声を漏らす。
36時間……各地にある聖母マリアの彫像たちが血の涙を流し始めたころだ、と。

すでに四つの町で新型インフルが蔓延していた。
今はまだ熱で寝込む程度のウイルスだが、『疫病』がその気になればクロアトアンウイルスをまき散らすことだってできるはずだとディーン達は確信しているようだ。
ディーン、サム、そして電話で会話していたボビーも『疫病』を捕まえられないことに焦りを感じ始める――。

とにかく、東へ移動しているらしい『疫病』を追って、かなりのロングドライブになるが、(ネバダ西部から西海岸を全土横断)ディーンたちも東へ行こうとした矢先、インパラの車内後部座席にいきなりクラウリーが現れる。

ディーンはハンドルを切って急停車。サムは即座に悪魔用のナイフを突き立てるがクラウリーは回避。
サムはコルトでルシファーに挑むように仕向けたクラウリーに怒り心頭している。
コルトは結局ルシファーには通用せず、仲間のエレンとジョーは無駄死にしたからだ。

クラウリーは「コルトならルシファーを殺せると思ってた」と弁明し、いまやルシファーに叛意を気づかれ、お尋ね者になった自分は全悪魔に付け狙われていると言い、さらには逆ギレしながら家を燃やされただの専属の仕立屋まで殺されただのとのたまったあげく、
騎士の指輪について言及する。
しかたなく、ディーンとサムはクラウリーの隠れ家まで同行することにする。

ディーン達がクラウリーの屋敷に忍び込んだ時、クラウリーは隙をついてインパラに発信器と盗聴器をつけていたのだ。

というわけで事情をすべて知っているクラウリーは居所のつかめない『疫病』の代わりにある悪魔の情報をディーン達に教える。
その悪魔は例えるなら騎士達の御者……小間使いのような者で、騎士の行き先や身の回りの世話をしているため、絶対に騎士の居場所を知っているはずだというのだ。

そして、拷問しても無駄だからここまで連れてこいとクラウリーは言う。
話に乗ったディーンはその悪魔の居場所を聞く。

疫病の御者がいる場所はアバンタイトルにでた製薬会社、ニビアス製薬だった。

副社長のブレイディがやっきになってワクチンの開発生産を社員達に急がせている。
不平不満を言った社員をオフィスに呼びだし、通信関係の部署へ昇進配属させてやるとささやいた後、その社員の首をかっ切って杯を血を満たし、悪魔の正体を現して疫病と交信し始める。
先ほどとは立場が逆転。
『疫病』にワクチンの大量生産と供給を急かされるブレイディ。

一方、クラウリーの隠れ家ではブレイディを拉致しに行く準備をしているウィンチェスター兄弟。だがクラウリーはサムの同行を拒否し、ディーンだけを連れて行こうとする。
理由はサムが隙あらば自分を殺そうとするからだというクラウリーだが、何か裏がありそうだ。
拒否するサムだが、結局サムはディーンに諭され、隠れ家で待機することに。

納得いかないサムはウイスキーのボトル片手にボビーと電話で会話している。
ボビーはサムをなだめる。
ハルマゲドンを止めるため、一年間奔走してきたがまるで収穫がなかったのだから、仕方が無いと。
サムは話題を変えて、ボビーが悪魔に憑依された時のことを聞き始める。
かつてボビーは悪魔に憑依されているにもかかわらず、自分の意志で一瞬だけだが悪魔の支配をはねのけ、自由に体を動かすことができた。
サムは、4つの鍵で檻を開けたとき、器である自分の肉体にルシファーを憑依させ、一瞬だけ支配をはねのけて檻に飛びこむという作戦を考えていたのだ。
ボビーは「俺に取り憑いたのは雑魚悪魔。お前に憑依するのは魔王なんだぞ」と、大反対する。魔王はサムの弱みや怒り嘆きなどの付け入ってくると、そしてサムの性格上の欠点(怒りにとらわれやすい)を指摘し、「自分すら抑え込めない奴がどうやって、魔王を抑え込むんだ」と、激しく叱責する。サムは何も言い返せず、黙りこんでしまう。

     *   *   *

ニビアス製薬への潜入は終始クラウリーのペースで進められる。
エレベーターに乗り、ブレイディのところへは一人で行かされるディーン。
おびき出すための釣り餌は戦争と飢饉の指輪だ。

しかし、対面したブレイディは、「指輪が欲しいなんて誰が言った?」と言い、今さら指輪を取り戻しても『戦争』と『飢饉』はすっかり干からびていて使い物にならないと言い放つ。
実は、釣り餌はディーン自身だったのだ。
ブレイディは騎士を二人も使い物にならなくしたディーン達に相当頭に来ているようだ。
ブレイディは「俺が望むのは復讐だ」と凶暴さをむき出しにして、ストレス発散とばかりにディーンを叩きのめす。

這々の体でディーンはエレベーターに乗り込み、一階まで戻ってくるが、追ってきたブレイディの執拗な攻撃に絶体絶命。
だが悪魔のストレス発散は唐突に終了する。
背後からクラウリーがおそらく何かの呪いがかかっているのだろう魔法陣が描かれたズタ袋をブレイディの頭にかぶせたかと思うとバールでめった打ち。あっさりと捕獲する。

帰り道、クラウリーはサムのいる隠れ家とは別の場所に行こうとする。
ディーンはインパラを止めて真意を問いただす……。

隠れ家に戻ったディーンはクラウリーの反対を押し切って、サムをブレイディに対面させる。

ディーンはいすに縛り付けて拘束したブレイディの頭からズタ袋を外す。
サムは驚愕する。ブレイディは、サムが大学時代の親友だったのだ。
悪魔が憑依したのは大学2年の途中と知り、サムは怒りを爆発させる。

「おまえが僕にジェス(ジェシカ)を紹介したんだぞ!?」
「ピンポン。そういうことだ」

今にもブレイディを殺しかねないサムをディーンは必死に押しとどめる。

その間に、クラウリーはブレイディを何とか説得しようとする。
人間を消したら魔王の次の標的は自分たち悪魔だと。
ルシファーは元々天使であり、悪魔のことなど何とも思っていないことを告げるが、ブレイディは信用しようとしない。
勝ち組として死んでいけるのなら本望だと開き直るブレイディに、クラウリーはなにやら覚悟を決めたようで、別の手段を講じるために「悪魔の巣窟に行って来る」といって姿を消す。

     *   *   *

ディーンの隙をついて、サムはブレイディと一対一で対面する。
あの日、ジェシカが天井に磔にされて、殺された時のことにもブレイディが深く関わっていたことを知ったサムはナイフを突きつけるが、ギリギリのところで自制する。

     *   *   *

そこへクラウリーが戻ってくる。
悪魔の巣窟で大量殺りくを行い、一匹わざと逃がした、と。
「そいつは魔王にこう報告するかもな。クラウリーとブレイディは共にルシファーに反旗を翻す恋人同士だと」
「魔王から永遠に拷問されるリストに載ったんだ。私と一緒にな」

これを聞いたブレイディは「お前は最低だ」と罵るが、もうどうにもならないことを悟っているようだ。

「これで私と同じ。自分が生き残るためにはどんなことでもしなくちゃいけなくなったわけだ。『疫病』の居場所を教えろ」

と、ブレイディに迫るクラウリー。

途中で地獄の猟犬に追跡されるというポカもやらかしたが、クラウリーの策略のおかげでついにディーン達は『疫病』の居場所を知ることができた。

これで、ブレイディを行かしておく理由が無くなったサムは一対一の勝負を望む。
ブレイディは長いこと悪魔と切っても切れない関係にあるサムの生い立ちや境遇、そしてその性格をあざけり、罵るが、サムはあっという間にナイフでブレイディの手足の急所を切り刻み、行動不能にしてしまう。
それでも減らず口を叩くブレイディの言い分を聞けるだけ聞いて、サムはとどめを刺す。

     *   *   *

ところかわって、ボビーの家。
いきなりクラウリーが現れる。
ボビーは問答無用で攻撃を仕掛けるが、クラウリーは反撃しない。
「死の騎士」の居場所を知る魔法を使うために魂を貸して欲しい……
と、ボビーにもちかけるのだが……。


・大学時代のサムの親友だったブレイディのキャラがとてもいい。
部下いじめ(殺し)→実は上司のまねしてただけ(上司にどやされてた)→笑いながらキレてディーン相手にストレス発散、という流れは面白かった。
またサムとの会話も。さんざんかわいそうな目に遭ってきているサムだが、今回で悪魔にどれだけ人生をめちゃくちゃにされたか再認識させられた。(新事実もあったし)


・ただグレイディよりも印象強いのはクラウリーだ。こいつは極悪なんだがどこか愛嬌もあるキャラで、本国でもやっぱ人気らしい。ディーンと一緒に製薬会社のビルに潜入(というより襲撃)する時のディーンの振り回されっぷりは面白かった。

・後半でもクラウリーの活躍が目立つ。ブレイディを陥れるために具体的に悪魔の巣窟で何をやってきたのかは描かれていないが、ブレイディに化けたのだろうか。それとも口先だけで上手く誤情報を流したのかもしれない。

・まさかの地獄の番犬登場。一体どうするんだ……と思ったら、そういやクラウリーは十字路の取引悪魔の総元締めだった。そりゃ強い番犬もってておかしくない。

・今回はサムのエピソードだった。昔よりかは(特にシーズン4あたり)自制が聞くようになったとはいえ、まだまだ危なっかしい面もある。
 
・ボビーとの悪魔の憑依についての話は後の重大展開への前振りですな……。